マンダムのメンズブランド LUCIDOから出ている「薬用パーフェクトスキンクリームEX」は、有効成分を2種持つ医薬部外品のオールインワンクリームです。本記事ではメーカー公式が公開している全成分表示をもとに、有効成分の位置づけ、クリーム基剤と増粘ポリマーの組み方、保湿・整肌成分の重ね方を整理します。効能・効果を保証するものではなく、配合成分とその役割の解説を目的としています。

ルシード 薬用パーフェクトスキンクリームEXの概要

本製品は、化粧水・乳液・クリームといった工程を1本にまとめることを想定したオールインワンタイプで、区分は医薬部外品です。有効成分としてナイアシンアミドとグリチルリチン酸ジカリウムの2種が配合されており、保湿だけでなく肌あれ防止と年齢肌に向けた訴求までを1本に載せた構成といえます。販売名は「薬用PスキンクリームO」で、成分情報はマンダム公式の商品情報ページに掲載された全成分表示から公式の表示順どおりに転記しています。

処方の骨格は、名称のとおりジェルではなくクリーム型です。精製水・ジプロピレングリコール・濃グリセリンという水性の保湿ベースの直後にスクワランが来て、以降もトリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、メチルポリシロキサン、ワセリンといった油剤が続きます。これを支える側にベヘニルアルコール、親油型モノステアリン酸グリセリル、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、サラシミツロウが並び、油剤と乳化剤が厚く積まれた乳化系であることが表示順から読み取れます。

価格は90gで実勢1,500円前後で、有効成分2種を持つ医薬部外品としては手に取りやすい価格帯です。処方面では無香料・無着色で、パラベン類やフェノキシエタノールといった一般的な防腐剤が全成分に見当たらないのも特徴です。表示順7番目のエタノールと、抗菌性が知られるグリセリンモノ2-エチルヘキシルエーテルがその役割を補っていると読める構成ですが、メーカーが処方意図を明示しているわけではないため、あくまで表示からの推測にとどまります。

弱みは二点挙げられます。ひとつは、エタノールが全成分の表示順で7番目と比較的上位にあることです。溶剤として一定量が使われていると推測でき、アルコールに反応しやすい肌質の人には選びにくい処方です。もうひとつは、有効成分2種の配合量が公表されておらず、表示順からも読み取れない点です。医薬部外品の表示は有効成分をその他の成分と分けて先頭に置く形式のため、有効成分どうしの多寡や、その他の成分との相対量は表示から判断できません。加えて油剤が厚い構成であるため、ベタつきを嫌う人には重く感じられる可能性があります。

注目成分の解析

有効成分2種(ナイアシンアミド・グリチルリチン酸ジカリウム)

本製品の性格をもっとも規定しているのが、医薬部外品の有効成分を2種持つ点です。ひとつめのナイアシンアミドはビタミンB3の一種で、医薬部外品の有効成分としてはシワを改善する目的で承認されている成分です。本製品でも有効成分の筆頭に置かれており、年齢肌に向けた訴求はこの成分が担っていると読み取れます。ふたつめのグリチルリチン酸ジカリウムは甘草由来の成分で、肌あれ・あれ性を防ぐ目的で幅広い医薬部外品に使われています。

この2種の組み合わせは、保湿だけを担うオールインワンと比べて1本に束ねている工程が多いことを意味します。ただし医薬部外品の有効成分は承認された効能の範囲で作用するものであり、シワがなくなる、肌あれが起きなくなるといった結果を保証するものではありません。配合量も公表されていないため、有効成分の有無だけを製品間の優劣の根拠として扱うのは適切ではなく、この製品が何を目的に設計されているかを示す指標として読むのが妥当です。

クリーム基剤と増粘ポリマーの二本立て

本製品のテクスチャーを作っているのは、油剤・乳化剤による乳化系と、増粘ポリマーによる粘度設計の組み合わせです。まず増粘側を見ると、ポリマーが2系統入っています。ひとつは「アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体/イソヘキサデカン/ポリソルベート80」という長い表示名の成分で、いわゆる AMPS系のポリマー分散体です。ポリマー本体に油剤と乳化剤をあらかじめ混ぜたプレミックス品として供給され、水に加えるだけで増粘と乳化安定が立ち上がるのが特徴とされます。塩類や電解質が共存しても粘度が落ちにくいとされる点も、オールインワンのように多成分を1本に詰める処方では扱いやすい理由になります。

もうひとつが「アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体」で、化粧品の表示名でいう(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーにあたる、疎水基つきの架橋型カルボマー系ポリマーです。この系統は酸のままではほとんど増粘せず、アルカリで中和して初めてゲル構造が立ち上がります。同じ表示に並ぶ水酸化カリウムがその中和剤として働いていると読むのが自然です。疎水基を持つため乳化を助ける性質もあり、油剤の多い本製品の設計とは整合します。

これらのポリマーに、スクワラン・ワセリン・メチルポリシロキサンなどの油剤と、ベヘニルアルコール・親油型モノステアリン酸グリセリル・サラシミツロウといった乳化剤・硬度調整剤が重なります。水性ジェル型のオールインワンが軽さで勝負するのに対して、本製品は油相と乳化構造でコクを出す方向に振った設計と読み取れます。

保湿・整肌の上乗せ層

有効成分と基剤の上に、保湿・整肌を狙った成分が薄く広く重ねられています。N-アセチル-L-ヒドロキシプロリンはアミノ酸誘導体、イノシットは糖アルコール系、ヒアルロン酸ナトリウム(2)は保水性で知られる高分子で、いずれも保湿の文脈で配合される成分です。加水分解シルク液も同じ層に属します。

やや性格が異なるのが、グリセリル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)カルバメート・メタクリル酸ステアリル共重合体と、ユビデカレノンです。前者は皮膜を作って水分の保持を助けるタイプのポリマーで、使用後の膜感にも関わります。後者はコエンザイムQ10として知られる成分で、整肌目的で配合されます。ただしこれらはいずれも有効成分ではなく、その他の成分としての配合で、表示順も末尾側です。製品の骨格はあくまで有効成分2種とクリーム基剤にあり、この層は使用感と訴求を補う位置づけとして捉えるのが妥当でしょう。

こんな人におすすめ / 向かない人

おすすめな人

  • スキンケアの工程を1本にまとめたい、手間を最小限にしたい人
  • 保湿だけでなく、肌あれ防止や年齢肌向けの訴求も1本に求める人
  • 有効成分を持つ医薬部外品を、手に取りやすい価格帯で試したい人
  • 水っぽいジェルより、コクのあるクリームの使用感を好む人

向かない人

  • アルコール(エタノール)に反応しやすい肌質の人
  • 顔に残る膜感やベタつきを避けたい、軽い使用感を求める人
  • 化粧水・美容液・乳液を個別に選び、工程ごとに調整したい人
  • 有効成分の配合量など、処方の詳細まで開示された製品を選びたい人

オールインワンは工程を減らせる代わりに、各工程を個別最適する自由度は下がります。本製品は有効成分2種を載せて訴求の幅を広げた設計ですが、そのぶんクリーム型の重さとエタノールの存在という条件がついてきます。時短を優先するか、使用感や刺激条件を細かく合わせにいくかで、選ぶかどうかが分かれる製品といえます。

よくある質問

Q. この1本でスキンケアは完結しますか

オールインワンは複数の工程を1本にまとめることを想定した製品形態であり、本製品も化粧水・乳液・クリームを兼ねる位置づけです。ただし乾燥の程度や季節によっては化粧水を先に重ねるなどの調整が要る場合があり、1本で足りるかは使用感を見ながら判断するのが現実的です。なお本製品にUV防御の機能はないため、日焼け止めは別途必要です。

Q. 有効成分が2種入っていれば効果も2倍になりますか

有効成分の数と効果の大きさは比例しません。医薬部外品の有効成分は、それぞれ承認された効能の範囲で作用するものです。本製品の場合、ナイアシンアミドとグリチルリチン酸ジカリウムがそれぞれ別の目的を担っており、訴求の幅が広いという意味を持ちます。また配合量は公表されておらず、表示順からも読み取れないため、成分の数だけで製品を比較するのは適切ではありません。

Q. エタノールが入っていますが刺激が心配です

本製品ではエタノールが全成分の表示順で7番目に位置しており、溶剤として一定量が使われていると推測できます。アルコールに反応しやすい肌質の場合は、目立たない部分で試してから使うか、エタノールを含まない処方を検討する余地があります。肌に異常を感じた場合は使用を中止し、必要に応じて専門家に相談してください。