「メンズもスキンケアした方がいいって聞くけど、何から始めればいいかわからない」と友達によく聞かれます。僕自身、20代前半まではコンビニで買ったオールインワンを夜だけ顔に塗って終わり、というスタイルでした。途中で「これで合ってるのかな」とずっとモヤモヤしていたタイプです。

調べると情報が多すぎて、洗顔・化粧水・乳液・美容液・日焼け止め・パック…と全部揃えないとダメな気持ちになります。でも実際には、最低限の3ステップから始めて、自分の肌で続けられるやり方を見つけていく方が現実的だと思います。

この記事では、メンズスキンケアを始めるときの最低限の3ステップと、月いくらで始められるかの予算感、僕自身がつまずいた失敗を書いていきます。「フルセット揃えなきゃ」という気持ちを一回降ろすところから始めるための地図のような記事として読んでもらえると嬉しいです。

1. そもそもメンズにスキンケアは必要なのか

「男だからスキンケアいらないでしょ」「男のくせに化粧水なんて」という空気が、まだ完全には消えていないと感じます。一方で「やっぱりやった方がいい」と言われる根拠もちゃんとあって、ここを整理しないまま「とりあえず買う」モードに入ると、続かないと感じています。

1.1 メンズの肌は「皮脂が多くて水分が少ない」

メンズの肌は、ざっくり言うと皮脂が出やすくて水分が少ないという特徴があります。

花王の解説によれば、男性の皮脂分泌量は成人する頃には女性の約2倍になり、女性は成人後に皮脂量が減るのに対して男性は加齢でもほとんど減らないとされています(出典: 花王スキンケアナビ「男性の肌の特徴」)。一方で、肌に含まれる水分量は女性の半分以下、という調査もあります。

これが何を意味するかというと、「テカっているから乾燥はしていない」と思いがちですが、実は皮脂は出るのに肌内部は乾いている、いわゆるインナードライ状態の人が多いということです。脂性肌だと思って強い洗顔ばかり選んでいると、必要な水分が逃げてさらに皮脂が増える、という負の方向に進んでしまいます。

1.2 髭剃りで毎日「角質ごと削る」リスク

もうひとつメンズ特有の事情として、毎日の髭剃りがあります。

花王の解説でも、髭剃りは「角層の最表面や皮脂などを不必要に落とす可能性がある」とされていて、特に頬からあごにかけてのUゾーンが乾燥しやすいと指摘されています(出典: 花王スキンケアナビ「男性の肌の特徴」)。女性にはない「毎日肌の表面を削る」習慣があるぶん、メンズは何もしないままだと肌のバリア機能が削られていく一方になります。

僕自身、20代前半でT字カミソリを使い続けていたときに、頬がカサつく日が続いて「これは食生活かな」と思っていたら、原因は髭剃り後のケア不足でした。頭皮の乾燥でも同じ話があって、皮膚バリア機能の話は頭皮の乾燥が気になるメンズへで詳しく書いています。

1.3 「全員フルセット」ではなく「最低限から」

ここまで書くと「やっぱりちゃんとケアしないとダメじゃん」という結論になりがちですが、僕の感覚では最初から全部揃える必要はないと思っています。

理由は単純で、続かないからです。10種類のアイテムを買い揃えても、3日で面倒になって使わなくなる人を何人も見てきました(僕自身も2回くらいやらかしました)。最低限の3ステップから始めて、肌の状態を見ながら少しずつ増やすやり方の方が、結果的に長く続きます。

2. 最低限の3ステップ:洗う・潤す・守る

洗面所で泡を立てて顔を洗う男性

メンズスキンケアの最低限を一言でまとめると、「洗う・潤す・守る」の3ステップです。資生堂やFANCLなど大手の入門ガイドでも、同じ3軸で説明されているケースがほとんどです。

2.1 洗う:洗顔料で1日1〜2回

朝と夜、または夜だけ、洗顔料を泡立てて優しく洗います。

ポイントは2つで、ひとつはゴシゴシこすらないこと、もうひとつはすすぎをしっかりやることです。皮脂を落とそうとして手のひらで強く擦ると、必要な角質まで剥がれて、結果的に乾燥と皮脂過剰のループに入ります。資生堂のメンズスキンケア解説でも、「指先で念入りに、皮膚の薄い部分はやさしく洗う」「水かぬるま湯でしっかり洗い流す」が基本とされています(出典: 資生堂 Beauty Journey「メンズのスキンケアのやり方」)。

朝は皮脂と汗を落とすために、夜は1日の汚れと整髪料を落とすために洗顔するのが基本ですが、乾燥が気になる人は朝はぬるま湯洗顔だけ、というやり方もあります。

2.2 潤す:化粧水+乳液(またはオールインワン)

洗顔のあとは保湿です。基本の組み合わせは化粧水+乳液で、化粧水で水分を入れて、乳液で蓋をするイメージです。

メンズの肌は皮脂が多いため、「化粧水だけでいい、乳液はベタつくから不要」と感じる人が多いです。僕も最初はそう思っていましたが、化粧水だけだと水分が蒸発してしまうので、薄く乳液を伸ばす方が結果的にテカりが落ち着くと感じます。FANCLのメンズスキンケア基本ガイドでも、化粧水と乳液の両方を使うか、もしくはオールインワンタイプで済ませる方法が推奨されています(出典: FANCL CLIP「メンズスキンケアのやり方」)。

オールインワンは、化粧水・乳液・美容液などが1本にまとまったアイテムで、忙しい朝や面倒くさがりな人に向いています。「最初は手軽にスタートしたい」という人はオールインワン1本から始めても問題ないと思います。慣れてきたら化粧水と乳液に分けて、自分の肌タイプに合わせて選び直す流れが現実的です。

2.3 守る:日焼け止め(朝のみ)

3つ目は日焼け止めです。これは朝だけ、外出する日に塗るもので、夜は不要です。

メンズスキンケアの中で、実は一番効果が見えやすいのが日焼け止めだと思います。シミ・くすみ・たるみといった年齢的な変化の多くは紫外線ダメージの蓄積から来ているので、20代から塗っているかどうかで30代以降の肌が変わってきます。

選び方は別記事で詳しく書く予定ですが、最低限のスタートとしては、SPF30〜50・PA+++〜++++ のものを、ドラッグストアで1,500〜2,500円(税込)くらいの価格帯から選ぶのがちょうどいいと思います。「日焼け止め=海やプールのとき」というイメージがある人ほど、まず通勤通学で塗る習慣を作るのが先です。

2.4 順番のまとめ

時間帯ステップ内容
1. 洗う洗顔またはぬるま湯洗顔
2. 潤す化粧水+乳液(またはオールインワン)
3. 守る日焼け止め
1. 洗う洗顔(整髪料がある日はクレンジングも検討)
2. 潤す化粧水+乳液(またはオールインワン)

夜は日焼け止めが不要なので2ステップだけで終わります。最初は朝晩でこの3+2ステップを回すことを目標にすると、無理なく続けられると思います。

3. 予算の目安:月いくらで始められるか

棚に並んだ基本的なスキンケア用品一式

「メンズスキンケアって高いんでしょ」と聞かれることが多いのですが、最低限の3ステップなら月1,500〜3,000円(税込)程度で始められます。

3.1 ドラッグストアで揃える場合の価格感

ドラッグストアで定番ブランドを選ぶと、おおむね以下の価格帯です(税込・2026年5月時点の体感)。

アイテム価格帯持ち
洗顔料600〜1,200円約1〜2ヶ月
化粧水800〜1,500円約1〜2ヶ月
乳液(またはオールインワン)800〜1,800円約1〜2ヶ月
日焼け止め800〜2,500円約1〜3ヶ月

最安構成だと初期費用3,000円弱で4本揃えられて、1本あたり1〜2ヶ月持つので、月割りにすると1,500円前後で運用できます。「月にコンビニコーヒー10杯分」と考えると、思っていたほど高くないと感じる人が多いと思います。

3.2 専門ブランドや皮膚科系を選ぶ場合

一方で、皮膚科系ブランドや専門ブランドのスキンケアを選ぶと、化粧水1本で4,000〜8,000円(税込)、ライン全体で月10,000円を超えるケースもあります。

ただし最初からこの価格帯に手を出す必要はなく、ドラッグストアで半年〜1年続けて、肌の状態と自分の続けやすさが見えてからステップアップする方が、お金の使い方として合理的だと思います。

3.3 オールインワンで圧縮する場合

「とにかく手軽に始めたい」「アイテム数を増やしたくない」という人は、オールインワン1本+洗顔料1本+日焼け止め1本の最低3本構成でも始められます。この場合、初期費用2,500円前後、月割り1,200〜1,500円程度で回ります。

僕自身、最初の半年はこの構成で回していました。物足りなくなってから化粧水と乳液に分けたり、美容液を追加したりすればよくて、「まず3本揃えて続ける」を最初の目標にするのがおすすめです。

4. 始めるときに僕がつまずいた失敗4パターン

ここまで書いた基本は本に書いてあることが多いので、僕自身が20代でスキンケアを始めたときにやらかした失敗を共有しておきます。同じ轍を踏まなくて済むはずです。

4.1 失敗1:脂性肌だと決めつけて強い洗顔を選ぶ

最初にやらかしたのがこれです。「自分はテカりやすいから皮脂をしっかり落とすやつ」と思って、ピーリング系の強い洗顔料を毎日朝晩使っていたら、頬がガサガサになりました。

実際には、テカっているのは皮脂が多いからではなく、肌が乾燥しているから皮脂で補おうとしているケース(インナードライ)も多いと知って、洗顔料を普通の弱酸性タイプに切り替えたら、3週間くらいでテカりが落ち着きました。

4.2 失敗2:オールインワンを「化粧水のように」たっぷり使う

オールインワンを買ったときに、「いっぱい塗った方が効くはず」と思って500円玉サイズくらいで朝晩つけていました。1ヶ月で1本使い切って、コスパが悪いと感じてやめてしまったのですが、これは単に使い方を間違えていただけです。

オールインワンは保湿成分が濃縮されているものが多いので、規定量(だいたいパール粒1〜2個分)で十分なケースがほとんどです。説明書きを読むって大事だと反省しました。

4.3 失敗3:日焼け止めをベタつくからやめる

これはメンズあるあるだと思うのですが、日焼け止めの「白浮き」「ベタつき」「ヌルつき」が苦手で、3日で塗らなくなる人が本当に多いです。僕も最初はこれで挫折しました。

解決策は、ジェルタイプやウォーターベースの日焼け止めに切り替えることです。最近はメンズ向けでさらっとした使用感のものが増えていて、塗った感覚がほぼないものもあります。「日焼け止め=白いクリーム」というイメージのまま諦めるのは早いです。

4.4 失敗4:3日でやめて「自分には合わなかった」と結論づける

最後がこれで、新しい洗顔料や化粧水を買って、3日使って効果が出ないと「合わなかった」と判断してしまうパターンです。

肌のターンオーバー(角質が入れ替わる周期)はおおむね4〜6週間と言われているので、新しいアイテムの効果を判断するなら最低3週間は続けるのが基本です。逆に、ヒリヒリしたり赤くなったりした場合はすぐにやめて皮膚科に行くのが正解で、「効果が見えない」だけならもう少し待つのが筋だと思います。

5. 続けるコツと次の一歩

最後に、続けるコツを2つだけ書いておきます。

ひとつは、洗面台にスキンケア用品を出しっぱなしにすること。引き出しの中に片付けるとそれだけで使う頻度が落ちます。歯磨きと同じくらいの導線に置くのが、続けるための一番の工夫だと感じています。

もうひとつは、完璧を目指さないこと。出張で2日サボったとか、飲み会で帰宅後に洗顔だけで寝てしまったとか、そういう日があっても気にしなくて大丈夫です。週で7割やれていれば十分という気持ちで回した方が、半年・1年と続きます。

スキンケアの「次の一歩」としては、自分の肌タイプ(乾燥肌・脂性肌・混合肌)を理解して化粧水を選び直すこと、日焼け止めを使い分けること、肌悩みに合わせて美容液を追加すること、あたりが続きます。それぞれは別記事で詳しく書いていく予定なので、合わせて読んでもらえると判断材料が増えると思います。

頭皮ケアの方が気になる人はメンズのスカルプケアは何から始めるか、髭剃り後の肌荒れが気になる人は別途シェービング領域の記事も準備中です。スキンケアと頭皮ケアは「皮膚バリア機能を守る」という点で根っこが同じなので、両方を緩く回していくのが理想だと思います。


本記事は DappNotes 編集部の執筆者(レン)が、執筆者自身の経験および公開情報の整理として執筆しました。

本記事のイメージ画像の一部にはAI生成画像を使用しています。