メンズD2Cブランド &GINO(アンドジーノ)の「プレミアムフェイスエッセンス アクアモイス」は、有効成分を2種持つ医薬部外品のオールインワン美容液です。本記事ではブランド公式サイトが公開している全成分表示をもとに、有効成分の位置づけ、保湿層の組み方、そして医薬部外品ならではの成分名の読みにくさを整理します。効能・効果を保証するものではなく、配合成分とその役割の解説を目的としています。
&GINO プレミアムフェイスエッセンス アクアモイスの概要
本製品は、化粧水・美容液・乳液といった複数の工程を1本にまとめることを想定したオールインワンタイプの美容液で、区分は医薬部外品です。有効成分としてナイアシンアミドとグリチルリチン酸ジカリウムの2種が配合されています。販売元は特定商取引法に基づく表記および会社概要で株式会社アールスタイルと確認できます。成分情報はブランド公式サイトの商品ページに掲載された全成分表示から、有効成分・その他の成分の順に公式の表示順どおり転記しています。
設計の特徴は、有効成分で名乗れる範囲を確保しつつ、その他の成分側に保湿・整肌目的の成分を極端に厚く積んでいる点です。核酸系・ムコ多糖・ヒアルロン酸・加水分解コラーゲンといった保水系の成分に加えて、アミノ酸が十数種類、植物エキスが二十数種類並びます。植物油もチャ実油・パーシック油・アボカド油・ローズヒップ油・ブドウ種子油と複数入っており、水性の保湿層とエモリエント層の両方に手を入れた構成であることが表示から読み取れます。増粘・粘度設計はカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガムが担い、防腐はフェノキシエタノールです。
一方で弱みも明確です。まず価格で、参考価格は5,280円と、メンズ向けオールインワンのなかでは高価格側に位置します。ドラッグストア流通の同カテゴリが千円台から手に入ることを踏まえると、この価格差を処方の作り込みで納得できるかが選択の分かれ目になります。なお参考価格は販路のスナップショットにもとづく値で、レンジ表記の下限を採ったものです。公式サイトの定価やモール価格とは乖離しうるため、購入時点の実売価格は各販路で確認する必要があります。
もう一点、購入前に確認したいのが版の違いです。本製品は現行品が薬用リニューアル版の医薬部外品ですが、モールで参考として挙がる古い商品登録(ASIN B00EPIW664)は2013年に登録されたもので、リニューアル前の旧版である可能性があります。旧版は化粧品区分だった可能性があり、その場合はナイアシンアミドが有効成分ではなく一般成分として配合されていた、つまり本記事で解説する構成とは前提が異なることになります。購入時には商品ページに医薬部外品の表記と有効成分名があるかを確かめるのが安全です。加えて、有効成分2種の配合量は公表されておらず、医薬部外品の表示形式上、表示順から相対量を読み取ることもできません。
注目成分の解析
有効成分2種(ナイアシンアミド・グリチルリチン酸ジカリウム)
本製品の性格をもっとも規定しているのが、医薬部外品の有効成分を2種持つ点です。ひとつめのナイアシンアミドはビタミンB3の一種で、医薬部外品では有効成分として承認実績のある成分です。ふたつめのグリチルリチン酸ジカリウムは甘草由来の成分で、肌あれ・あれ性を防ぐ目的で幅広い医薬部外品に使われています。有効成分の筆頭にナイアシンアミドを置き、その次に抗炎症方向のグリチルリチン酸ジカリウムを重ねる並びは、保湿だけを担うオールインワンより名乗れる範囲を広げにいった設計と読めます。
ここで押さえておきたいのは、ナイアシンアミドが医薬部外品の有効成分として承認される効能は製品ごとに定まっていて、その中身は承認内容によって異なるという点です。同じ成分名でも、化粧品にその他の成分として配合された場合は効能を名乗れません。したがって「ナイアシンアミド配合」という一語だけを見て働きを決めつけるのは適切ではなく、本製品についても実際にどの効能で承認されているかは商品パッケージや公式の効能表示にあたって確認するのが確実です。医薬部外品の有効成分は承認された効能の範囲ではたらくものであり、結果を保証するものではありません。
核酸系とムコ多糖による保湿層(5’-イノシン酸二ナトリウム・5’-グアニル酸二ナトリウム・コンドロイチン硫酸ナトリウム)
その他の成分側で目を引くのが、保湿層の組み方です。表示順の上位に5’-イノシン酸二ナトリウムと5’-グアニル酸二ナトリウムという核酸系の成分が、濃グリセリンを挟む形で並びます。この2つは食品分野でうま味調味料として知られる素材と同じ系統ですが、化粧品・医薬部外品の文脈では保湿目的で配合される成分です。オールインワン美容液の保湿層としてはやや珍しい選択で、グリセリンやブチレングリコールといった定番の保湿剤とは別の系統を足していることになります。
そこにコンドロイチン硫酸ナトリウムが加わります。こちらはムコ多糖に分類される高分子で、水を抱えこむ性質から保水目的で使われる成分です。同じく高分子側にはヒアルロン酸ナトリウム(2)と加水分解コラーゲン液(4)も入っており、分子サイズの大きい保水成分を複数系統で重ねる構成になっています。さらに低分子側では、L-セリン、L-プロリン、グリシン、DL-アラニンをはじめとするアミノ酸が十数種類、糖誘導体のグリセリルグルコシド液やエクトインとともに並びます。高分子で水を抱え、低分子で角層側の保水を狙うという二層構えは、成分表の構成そのものに現れている本製品の見どころといえます。ただし、こうした成分の種類数の多さは処方の方向性を示すものであって、1種あたりの配合量は表示からは分かりません。
部外品表示名称ゆえの読みにくさ(濃グリセリン・1,3-ブチレングリコール・ユズセラミド)
本製品の成分表を読むうえで、いちばん引っかかりやすいのが名称の体系です。医薬部外品は化粧品とは別の表示名称ルールが使われるため、同じ物質でも見慣れた化粧品表示名とは違う書かれ方をします。本製品でいえば、化粧品表示なら「グリセリン」と書かれるものが濃グリセリン、「BG」の通称で知られるものが1,3-ブチレングリコール、「カルボマー」にあたるものがカルボキシビニルポリマーとして並びます。dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムのようにアルファベット部分が全角で書かれるのも部外品表示の慣習です。
さらに紛らわしいのが、海藻エキス(1)、加水分解コラーゲン液(4)、ヒアルロン酸ナトリウム(2)、トウキエキス(1)といった、末尾に括弧つきの番号がある表記です。これは医薬部外品の表示名称で規格や製法の違いを区別するための番号で、化粧品の成分表を読み慣れている人ほど「何の数字か分からない」と感じる部分です。同様に、保湿目的で配合されているユズセラミドも、化粧品の成分表でそのまま見かける機会は多くない名称です。
つまり本製品は、有効成分で名乗れる範囲を取りにいった代わりに、成分表全体が読者にとって照合しづらい名称で並ぶという性質を抱えています。効能を名乗れないかわりに成分名がそのまま読者に届く化粧品区分のオールインワンとは、ちょうど逆のトレードオフです。成分名を手がかりに製品を選びたい人にとっては、化粧品表示名との対応を一度調べる手間が発生する点は、あらかじめ織り込んでおくとよいでしょう。
こんな人におすすめ / 向かない人
おすすめな人
- 化粧水・美容液・乳液の工程を1本にまとめ、朝晩の手間を減らしたい人
- 保湿に加えて、肌あれ防止まで有効成分でカバーされた医薬部外品を選びたい人
- 保水系の高分子とアミノ酸を重ねた、成分の種類数が多い処方を評価する人
- 価格よりも処方の作り込みを優先して、メンズ向けの1本を選びたい人
向かない人
- スキンケアのコストを抑えたい人、千円台のオールインワンで十分と考える人
- 化粧品表示名で成分表を読み慣れていて、名称の対応を調べる手間をかけたくない人
- 有効成分の配合量など、処方の詳細まで開示された製品を選びたい人
- 植物エキスや植物油の種類が多い処方を避けたい人
オールインワンは工程を減らせる代わりに、各工程を個別に最適化する自由度は下がります。本製品はその上に、医薬部外品として有効成分2種を載せ、その他の成分側でも保湿・整肌の層を厚く積んだ構成です。そのぶん価格は高めに振れ、成分表も部外品表示名称で並びます。時短と成分数の厚みを取るか、価格と読みやすさを取るかで評価が分かれる製品といえます。肌に合うかどうかには個人差があるため、不安がある場合は目立たない部分で試してから使うと安心です。
よくある質問
Q. 販売ページによって区分や中身の説明が違うのはなぜですか
本製品はリニューアルを経ており、現行品は有効成分2種を持つ医薬部外品です。一方、モールには古い商品登録が残っている場合があり、参考として挙がるASIN B00EPIW664は2013年に登録されたもので、リニューアル前の旧版である可能性があります。旧版は化粧品区分だった可能性があるため、購入時には商品ページに医薬部外品の表記と有効成分名(ナイアシンアミド・グリチルリチン酸ジカリウム)があるかを確認するのが確実です。
Q. ナイアシンアミドが入っていればシミやシワに働くのですか
成分名だけでは判断できません。医薬部外品では、その製品ごとに承認された効能の範囲でのみ有効成分がはたらくものとされ、同じナイアシンアミドでも承認内容によって名乗れる効能は変わります。化粧品にその他の成分として配合された場合は、そもそも効能を名乗ることができません。本製品がどの効能で承認されているかはパッケージや公式の効能表示に記載されるため、そちらを確認してください。いずれにしても、特定の変化を保証するものではありません。
Q. この1本でスキンケアは完結しますか
オールインワンは複数の工程を1本にまとめることを想定した製品形態で、本製品も化粧水・美容液・乳液を兼ねる位置づけです。ただし乾燥の程度や季節によっては、洗顔後に化粧水を先に重ねるなどの調整が要る場合があります。またUV防御の機能はないため、日焼け止めは別途必要です。肌に異常を感じた場合は使用を中止し、必要に応じて専門家に相談してください。