エチルヘキシルトリアゾンは、紫外線のうちUVBを吸収する有機系の紫外線吸収剤で、INCI名はEthylhexyl Triazone。米国のINCI表記ではOctyl Triazoneとも書かれる(出典: BASF Technical Information)。化粧品基準の別表第4と医薬部外品の成分表示名称リストでは、化学名の「2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン」で載っている(出典: 厚生労働省『化粧品基準』 / 医薬部外品の成分表示名称リスト 平成20年版)。吸収極大は314nm付近で、原料は油に溶かして使う粉末である。
本記事では、紫外線吸収剤クラスタの1本として3点を整理する。1点目は、1本の日焼け止めに有機系フィルターが3〜4種並ぶ理由を「担当波長の分業」で読むこと。2点目は、同じUVB担当のメトキシケイヒ酸エチルヘキシルと本成分が同じ処方に並ぶ意味。3点目は、「トリアゾン」という名前と、構造の中心にあるトリアジン環との関係である。あわせて、分子量約823という大きな分子と皮膚への浸透について、一次資料で確認できた範囲を扱う。
1. エチルヘキシルトリアゾンの基本
1.1 何の成分か
エチルヘキシルトリアゾンは、窒素3個と炭素3個が交互に並ぶ六員環「1,3,5-トリアジン」を中心に、3つの角へ同じ腕を1本ずつ付けた、対称な形の分子である。腕は、アミノ基(-NH-)を介してつながった安息香酸の2-エチルヘキシルエステルでできている。分子式はC48H66N6O6、分子量は823.07、CAS番号は88122-99-0(出典: PubChem CID 159201 / 医薬部外品の成分表示名称リスト 平成20年版)。
化学名を分解すると、構造がそのまま読める。
| 名前の部品 | 意味 |
|---|---|
| 2,4,6-トリス | 環の2・4・6位に、同じ腕が3本(トリス)付く |
| 2-エチルヘキシルオキシカルボニル | 2-エチルヘキシルアルコールとのエステル部分(-COO-C8H17) |
| アニリノ | ベンゼン環にアミノ基が付いたアニリン由来の形で、環とつながる |
| 1,3,5-トリアジン | 中心の環。1・3・5位が窒素 |
医薬部外品の成分表示名称リストでは、連番1518にこの化学名が成分名として載り、簡略名として「トリスエチルヘキシルオキシカルボニルアニリノトリアジン」が併記されている。本質欄は、定量したとき同じ化合物(C48H66N6O6:823.07)として95.0%以上を含むもの、という記載である(出典: 医薬部外品の成分表示名称リスト 平成20年版)。
原料としては、BASFが「Uvinul T 150」という商品名で供給している。同社の技術資料では、白色〜淡黄色の粉末、分子量823 g/mol、314nmでの比吸光度(A1%/1cm、エタノール中)1500以上が品質規格とされ、原料は石油・天然ガス由来の合成品と記載されている。使うときは油相に加温して溶かすよう案内されている(出典: BASF Technical Information)。
規制上は、化粧品基準の別表第4に配合上限つきで収載された紫外線吸収剤の1つである(§3.2)。医薬部外品に配合される場合も有効成分としてではなく、添加物としての配合になる。本成分それ自体に承認効能はない。
1.2 どんな製品に配合されるか
化粧品成分オンラインは、本成分の用途を日焼け止めや化粧下地などの紫外線防御を担う配合として整理している(出典: 化粧品成分オンライン)。
DappNotesの商品マスターで本成分の配合を確認できた商品は2本で、どちらもメンズのUVジェルである。
| 商品 | 区分 | 剤形 | 配合順位/全成分数 |
|---|---|---|---|
| オルビス ミスター ドライタッチ UVジェル | 化粧品 | ジェル | 11/25 |
| ニベアメン UVプロテクトジェル | 化粧品 | ジェル | 11/22 |
(出典: 各社公式サイトの全成分表示)
2本とも、全成分に酸化亜鉛・酸化チタンなどの無機の散乱剤は無く、紫外線カットを有機系の吸収剤だけで組んでいる。本成分はどちらでも11位で、同じ処方にメトキシケイヒ酸エチルヘキシル・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル・ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンが並ぶ。この組み合わせの読み方は§3.3・§3.4で扱う。
配合順位は、1%を超える成分は多い順・1%以下は順不同という表示ルールに従う目安にとどまる。順位から配合量%を推定することはできない。
1.3 メンズ視点での見方
今回の配合例は、どちらもメンズ向けのジェルタイプの日焼け止めである。成分表の上位には水・エタノール・BGなどの基剤と並んでメトキシケイヒ酸エチルヘキシルが入り、中盤に本成分を含む吸収剤が続く。
読み方の要点は、本成分を「単独で紫外線を防ぐ主役」ではなく「UVBを受け持つ分担者の1人」として見ることにある。日焼け止めの防御力(SPF・PA)は製品全体の処方で測られる値で、成分表に本成分があるかどうかや、何位に並ぶかからは読めない。選び方の全体像はメンズ日焼け止めの選び方を参照してほしい。
2. 期待される働き・効果
2.1 メカニズム
有機系の紫外線吸収剤は、分子が特定の波長の紫外線を吸収し、そのエネルギーを主に熱として放出することで、肌に届く紫外線を減らす。どの波長をよく吸収するかは分子の形で決まる。
エチルヘキシルトリアゾンは、中心のトリアジン環と、そこにアミノ基でつながったベンゼン環・エステル部分が電子の通り道(共役系)を作り、UVB領域の314nm付近に吸収の極大を持つ(出典: BASF Technical Information / 化粧品成分オンライン)。担当はUVBで、UVA(320〜400nm)を受け持つ成分ではない。
原料メーカーは、314nmでの比吸光度が高いため、日焼け止めでは少ない濃度で高いSPFを得られると説明している。また、強い紫外線にさらされても紫外線を吸収する能力はほとんど変わらず、非常に光安定だとしている(出典: BASF Technical Information)。これはメーカーの製品説明で、他の吸収剤との比較で順位をつけたデータではない。
性質面でもう1つ押さえたいのは、原料が粉末であることにある。本成分は水にほとんど溶けず(デンマーク環境保護庁報告が引くREACH登録資料で水溶解度0.005mg/L)、処方では油相に加温して溶かして使う(出典: デンマーク環境保護庁 2015 / BASF Technical Information)。メーカー資料には油剤ごとの溶解度の表があり、この点は§3.4で配合商品の読み方につなげる。
2.2 一般的な効能範囲
日焼け止めの防御効果は、成分ではなく製品単位で扱われる。製品として表示されるSPF(主にUVBの防御指標)とPA(UVAの防御指標)は、完成した製品を測定して決まる値である。
そのため、本成分について言えるのは「紫外線(UVB)を吸収する」という配合目的までになる。本成分が入っていることを理由に、製品のSPFの高さや日焼けを防ぐ力を成分単位で言い切ることはできない。
また、本成分は医薬部外品の有効成分ではない。医薬部外品の有効成分に認められる効能を、本成分の働きとして示すことはできない。
2.3 限界・誤解されやすい点
誤解されやすい点は3つある。
1. 本成分があればUVAも防げる、という誤解。 本成分の担当はUVBで、吸収極大は314nm付近である(出典: BASF Technical Information)。UVAを受け持つのは、同じ処方に並ぶ別の吸収剤の役目になる。配合例の2本でも、UVA担当のジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルと、両域担当のビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンが一緒に入っている(§3.3)。
2. 比吸光度が高い成分が入っている製品ほど防御力が高い、という誤解。 比吸光度は原料単体を溶液で測った値で、製品のSPF・PAではない。製品の防御力は、吸収剤の組み合わせ・配合量・基剤・塗り広げたときの膜の状態などで決まる。配合%は非公開で、成分表の順位からも読み取れない。
3. 分子が大きいから肌には一切入らない、という誤解。 分子量約823は化粧品成分としては大きく、in vitro試験では皮膚を透過しなかったとする研究がある。一方で、ヒトの試験では塗った量の2割程度が角層に入ったとする報告もある。「透過しない」と「角層に入らない」は別の話で、§3.6で一次資料の範囲を整理する。
3. 安全性・注意点
3.1 既知の刺激性・アレルギー報告
エチルヘキシルトリアゾンの刺激性・感作性は、低いとする評価が中心である。ただし、公開されている試験データの多くは動物試験である。
EUの化粧品科学委員会(SCC)は1997年6月24日の見解で、本成分について次のように評価した(出典: EU SCC 1997年見解)。
- 急性毒性: 経口・経皮とも低い
- 刺激性: 適切な試験で良好な結果
- 感作性: 動物試験・ヒト試験のいずれでも有害な所見なし
- 遺伝毒性: 変異原性・光変異原性・光染色体異常誘発性の証拠なし
- 生殖発生: 妥当な用量範囲で胚毒性・催奇形性の兆候なし
デンマーク環境保護庁の2015年報告は、REACH登録資料の公開要約をもとに次の結果をまとめている(出典: デンマーク環境保護庁 2015)。同報告は、登録資料の情報は登録者の提出したもので、ECHAなどの専門機関による精査を経ていないと注記している。
- 皮膚刺激性: ウサギの試験(OECD TG 404)で紅斑・浮腫とも全例0
- 眼刺激性: ウサギ3匹に原液を1回適用し、1匹に結膜の軽い発赤。2日以内に完全に回復
- 皮膚感作性: モルモット20匹の試験(OECD TG 406)で感作性の証拠なし
化粧品成分オンラインも、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性は軽度、感作性はなしと整理している(出典: 化粧品成分オンライン)。
内分泌への作用については、同じデンマーク報告が、本成分は欧州委員会の内分泌かく乱物質の優先リストに載っていないこと、デンマーク内分泌かく乱センターの2013年の評価では「かく乱作用があるかどうかを結論するにはデータが足りない」とされたことを記している(出典: デンマーク環境保護庁 2015)。「作用がないと確認された」ではなく「判断材料が不足」という結論である点は、そのまま受け取っておきたい。
なお、米国のCosmetic Ingredient Review(CIR)による本成分の単独評価は、本稿では確認できていない。
実用上は、本成分そのものが刺激の原因になる可能性は低いと考えられる。ただし配合例の2本には、他の吸収剤に加えてエタノールや香料・防腐剤も入っている。日焼け止めで赤み・かゆみ・ひりつきが出た場合は使用を中止し、吸収剤だけでなく処方全体を疑うのが現実的である。有機系の吸収剤で肌が合わなかった経験がある人は、新しい製品を使う前に腕の内側などで試しておくと安心につながる。
3.2 配合上限と規制上の位置づけ
紫外線吸収剤は、化粧品に自由に配合できる成分ではない。化粧品基準の別表第4に載った成分だけを、定められた上限の範囲で配合できる(出典: 厚生労働省『化粧品基準』)。
本成分の上限は次のとおりである。
| 区分(化粧品の種類) | 100g中の最大配合量 |
|---|---|
| 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの | 5.0g |
| 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの | 5.0g |
| 粘膜に使用されることがある化粧品 | 配合不可(空欄) |
(出典: 厚生労働省『化粧品基準』別表第4。告示上の収載名は「2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン」)
口紅などの粘膜に使う化粧品には配合できない、という区分になっている。
海外では、EUの科学委員会SCCが1997年の見解で、UVフィルターとして最大5%で化粧品に使っても健康上の問題はないと結論している(出典: EU SCC 1997年見解)。原料メーカーの承認状況表でも、EU・スイス・インド・台湾・韓国・日本(粘膜用を除く)・中国・オーストラリア・ASEAN・南米・メキシコが5%とされ、米国とカナダの欄は空欄である(出典: BASF Technical Information)。
米国では、日焼け止めは一般用医薬品(OTC)として扱われ、有効成分がモノグラフに載っている必要がある。米国会計検査院(GAO)の2017年の報告によると、BASFは2002年8月21日に本成分(octyl triazone)の審査を申請し、FDAは2014年6月23日に初回の判定を出した。報告の題名は「FDAは追加の有効成分の申請を審査し、さらにデータが必要と判断した」である(出典: GAO-18-61)。2026年6月9日にFDAがOTC日焼け止めモノグラフへの追加を発表した有効成分はビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(bemotrizinol)で、同発表に本成分への言及はない(出典: FDA プレスリリース 2026年6月9日)。
同じ成分でも国・地域で上限や扱いが違うのは、評価の枠組みと審査の経緯が違うためで、どこかの数字が「正しい」という優劣ではない。
3.3 日焼け止めに有機系フィルターが並ぶ理由=担当波長の分業
商品マスターでは、紫外線防御の成分に「紫外線吸収剤」「紫外線吸収(UVA)」「紫外線吸収(UVB)」「紫外線吸収(UVA・UVB)」「紫外線吸収(ポリマー型)」といった役割語が付く。どれも「紫外線を吸収する」でひとまとめにされがちだが、読み分けの軸は2つある。
1つ目は担当波長で、UVBを受け持つか、UVAを受け持つか、両方にまたがるか。2つ目は分子の系統で、どんな骨格を持ち、そこから油への溶け方や分子の大きさなどの性質がどう違うか。1本の日焼け止めに有機系フィルターが3〜4種並ぶのは、成分ごとに吸収しやすい波長域が違い、担当の違う成分を組み合わせて波長の穴を埋めるためである。両域を受け持つ成分があっても、UVB側・UVA側をそれぞれ別の成分で重ねる組み方がとられる。
| 成分 | 担当波長 | 系統(構造の特徴) | 化粧品基準の上限(洗い流さないもの/粘膜使用あり、100g中) |
|---|---|---|---|
| メトキシケイヒ酸エチルヘキシル | UVB | ケイ皮酸エステル | 20g / 8.0g |
| ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル | UVA | ベンゾフェノン骨格(ヒドロキシベンゾイル)をもつ | 10.0g / 配合不可 |
| ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン | UVA・UVB | 1,3,5-トリアジン環 | 3.0g / 配合不可 |
| エチルヘキシルトリアゾン(本成分) | UVB | 1,3,5-トリアジン環 | 5.0g / 配合不可 |
| ポリシリコーン-15 | UVB | シリコーン骨格のポリマー | 10.0g / 10.0g |
(出典: 厚生労働省『化粧品基準』別表第4 / 各成分の一次情報。担当波長と系統の分け方は本クラスタで共有する整理)
この表から見える本成分の位置は、「トリアジン系のUVB担当」である。同じUVB担当でも、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルは分子量約290の液状のケイ皮酸エステル、ポリシリコーン-15はシリコーンの鎖に吸収部分をぶら下げたポリマーで、本成分は分子量約823の粉末原料と、形も性質も違う。同じトリアジン環を持つビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンとは骨格が近いが、担当はあちらがUVA・UVBの両域、こちらがUVBと分かれる。
上限値の欄は、各成分の安全性評価に基づく配合の許容範囲で、紫外線を防ぐ力の順位ではない。表は優劣表ではなく、成分表を読むときの地図として使ってほしい。SPF・PAは製品全体の処方で決まり、個々の成分の並びや上限値からは読めない。
3.4 配合商品での並び:同じUVB担当のメトキシケイヒ酸エチルヘキシルと並ぶ理由
DappNotesで第5型ページを公開している日焼け止め3本の成分表では、紫外線防御の成分が次の順に並ぶ。本成分は3本のうち2本に入っている。
| 成分(担当) | オルビス ミスター ドライタッチ UVジェル(25成分) | マニフィーク オールインワン ジェル UV(36成分) | ニベアメン UVプロテクトジェル(22成分) |
|---|---|---|---|
| メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(UVB) | 2位 | 2位 | 3位 |
| ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(UVA) | 7位 | 6位 | 6位 |
| ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(UVA・UVB) | 8位 | 11位 | 9位 |
| エチルヘキシルトリアゾン(本成分・UVB) | 11位 | なし | 11位 |
| ポリシリコーン-15(UVB) | なし | 9位 | 12位 |
| 無機の散乱剤 | なし | 酸化チタン 36位(最後尾) | なし |
(出典: 各社公式サイトの全成分表示。マニフィークの酸化チタンは、商品マスターの役割語が「紫外線散乱剤・着色(白色顔料)」)
3本に共通する骨組みは、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(UVB)・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(UVA)・ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(両域)の3種である。そこにUVB担当がもう1つ加わり、オルビスは本成分、マニフィークはポリシリコーン-15、ニベアメンは本成分とポリシリコーン-15の両方を入れている。本成分は、骨組みの上でUVB側を重ねる位置に置かれている。
同じUVB担当のメトキシケイヒ酸エチルヘキシルがすでに上位にあるのに、なぜ本成分も並ぶのか。各社の処方意図は公開されておらず、配合%も非公開のため、断定はできない。そのうえで、一次資料の事実から考えられる読み方を3つ挙げる。
1. 成分ごとに上限がある。 化粧品基準の上限は、本成分が100g中5.0g、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンが3.0gというように成分ごとに決まっている(§3.2)。1成分だけを増やして吸収を確保するのではなく、担当の重なる成分を複数使って合計で組み立てる、という設計は、この上限の仕組みと整合する。
2. 吸収極大の位置が少しずれる。 本成分の吸収極大は314nm付近(出典: BASF Technical Information)、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルは310nm付近とされる(出典: 化粧品成分オンライン)。どちらもUVB域で重なりは大きいが、完全に同じ吸収のしかたをする成分ではない。
3. 溶かす油としての相性。 本成分は粉末で、油相に溶かして使う。原料メーカーの溶解度表では、25℃でメトキシケイヒ酸エチルヘキシルに14.0%溶け、表中の油剤ではアジピン酸ジブチル(16.0%)に次いで高い。パルミチン酸イソプロピルは3.4%、エタノールは1.3%(21℃)である(出典: BASF Technical Information)。液状のメトキシケイヒ酸エチルヘキシルが上位にある処方は、粉末の本成分を溶かし込む油相を持っている、とも読める。
いずれも「こう読める」という整理で、「この製品は○○のために本成分を入れている」という意味ではない。また、どちらの製品が紫外線を防ぐ力で上かは、この並びからは判断できない。
3.5 「トリアゾン」と「トリアジン」:名前と構造の整理
本成分の名前は「トリアゾン」で終わるが、構造の中心にあるのは「トリアジン」環である。化粧品基準の収載名、医薬部外品の成分表示名称リストの成分名、PubChemのIUPAC名は、いずれも中心の環を「1,3,5-トリアジン(1,3,5-triazine)」と書いている(出典: 厚生労働省『化粧品基準』 / 医薬部外品の成分表示名称リスト 平成20年版 / PubChem CID 159201)。
| 呼び名 | 何を指すか |
|---|---|
| 1,3,5-トリアジン | 窒素3個と炭素3個が交互に並ぶ六員環。本成分とビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの共通の骨格 |
| エチルヘキシルトリアゾン(本成分) | INCI名にもとづく化粧品表示名称。構造上の中心はトリアジン環 |
| 肥料分野の「triazone」 | 尿素・ホルムアルデヒド・アンモニアから作る、炭素3個・窒素3個の環をもつ小さな化合物(C3H7ON3)。本成分とは別物 |
(出典: 各資料の化学名 / UF/IFAS Extension HS1233)
化学の命名では、語尾の「-オン(-one)」は分子の骨格にC=O(カルボニル基)が組み込まれていることを示す。肥料分野のtriazoneは尿素を材料に作る炭素3個・窒素3個の環状化合物で、分子式C3H7ON3のとおり小さな分子に酸素を1個だけ含む(出典: UF/IFAS Extension HS1233)。これに対して本成分のC=Oは、腕の先のエステル部分(エチルヘキシルオキシカルボニル)にあり、中心の環は窒素と炭素だけのトリアジン環のままである。つまり「トリアゾン」という語尾は、本成分の環の形を正確に言い表したものではない。
本成分の化粧品表示名称は、INCI名Ethylhexyl Triazone(米国表記Octyl Triazone)を日本語にしたもので、名前として定着している呼び名である。なぜINCI名に「triazone」の語が採られたのかを説明した一次資料は、本稿では確認できていない。
成分表を読むときの実用上のポイントは2つある。1つは、兄弟成分のビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンと本成分は、名前の語尾が違っても同じトリアジン環を持つこと。もう1つは、「トリアゾン」という語だけで構造や性質を推測しないことである。なお、名前にtriazoneを含むUVフィルターには、Diethylhexyl Butamido Triazoneという別の成分もある(出典: デンマーク環境保護庁 2015 / GAO-18-61)。名前が似ていても、本成分とは別の成分として扱う。
3.6 分子の大きさと皮膚への浸透
本成分の分子量は823.07で、化粧品に使われる紫外線吸収剤のなかでも大きい部類に入る(出典: 医薬部外品の成分表示名称リスト 平成20年版)。皮膚科学には、皮膚から吸収されるには分子量500ダルトン未満が必要だとする「500ダルトンルール」という提唱がある(出典: Bos & Meinardi 2000)。この提唱に照らすと、本成分は皮膚を通りにくい側に入る。
ただし、これは経験則としての提唱で、本成分に当てはめたときの実測とは分けて見る必要がある。一次資料で確認できた結果は次のとおりである。
| 資料 | 試験の種類 | 結果 |
|---|---|---|
| EU SCC 1997年見解 | in vitro経皮吸収(GLP) | 吸収率は低く、適切な安全域が得られる |
| REACH登録資料(デンマーク環境保護庁 2015の要約) | ヒト表皮in vitro、5%配合製剤 | 24時間で表皮を透過したのは約0.1%(高用量)・約1.3%(低用量) |
| Monti et al. 2008 | 再構築ヒト表皮・ラット皮膚のin vitro、3種の基剤 | 本成分もメトキシケイヒ酸エチルヘキシルも透過せず |
| Scalia et al. 2019 | ヒトin vivoのテープストリッピング | 角層に入ったのは適用量の21.9±4.9%。メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(22.2±7.6%)と有意差なし |
(出典: EU SCC 1997年見解 / デンマーク環境保護庁 2015 / Monti et al. 2008 / Scalia et al. 2019)
ここで区別したいのは、「皮膚を透過する(表皮を抜けて体の内側へ届く)」と「角層に入る(肌表面の角層の中に分布する)」の違いである。in vitroの透過試験では、本成分はほとんど、あるいはまったく透過しなかった。一方、ヒトの角層を粘着テープで順にはがして測った試験では、本成分も分子量約290のメトキシケイヒ酸エチルヘキシルも、塗った量の2割程度が角層に入り、差は見られなかった。この試験では、本成分を脂質の微粒子に封入すると角層への浸透が45.7%減ったとも報告されている(出典: Scalia et al. 2019)。
まとめると、本成分は表皮を透過しにくいとするデータがそろっている。ただし「分子が大きいから肌表面にとどまって角層にも入らない」とまでは言えない。デンマーク報告も、公開データだけでは経皮吸収率を結論できないとして、安全域の試算では最悪ケースとして10%を仮定している(出典: デンマーク環境保護庁 2015)。分子量は目安の1つで、浸透のしかたは基剤や処方にも左右される。
3.7 環境面の論点
本成分の環境中での性質について、デンマーク環境保護庁の報告はREACH登録資料をもとに次のようにまとめている(出典: デンマーク環境保護庁 2015)。
- 水への溶けにくさ: 水溶解度は0.005mg/Lで、log Kowは7超。環境中では底質や土壌に強く吸着し、移動しにくいと考えられる
- 分解性: 易分解性試験で分解されず、環境中で残留しうる
- 生物濃縮: 魚での生物濃縮係数(BCF)は80 L/kgで、濃縮性は低いとされる。ただし試験濃度が不明で不確かさがある
- 生態毒性: 水に溶ける上限を大きく超える濃度でも、魚・ミジンコ・藻類に急性の毒性は見られない。長期の毒性データは無い
- 分類: EUの調和分類で「水生環境有害性 長期(慢性)区分4(H413)」
同報告は、本成分がPBT(難分解・高蓄積・毒性)の基準に当てはまるかどうかは明確でないとしている。サンゴへの影響を本成分について直接調べた一次資料は、本稿では確認していない。
規制の面では、米国ハワイ州マウイ郡が条例5306号で、2022年10月1日から処方箋のない非ミネラル日焼け止めの販売・流通・使用を禁止し、非ナノの酸化亜鉛または酸化チタンを使ったミネラル日焼け止めだけを認めている(出典: マウイ郡公式サイト)。この条例は特定の成分を名指しするのではなく、ミネラル以外の日焼け止めをまとめて対象にしているため、本成分のような有機系吸収剤を使った製品も含まれる。一方、ハワイ州の州法が対象とした成分については、本稿では州法の原文に到達できなかったため扱わない。州法の経緯はメトキシケイヒ酸エチルヘキシルの記事を参照してほしい。
地域の規制は環境保護を目的とした枠組みで、人が使ったときの安全性評価とは別の議論である。サンゴ礁のある海でのレジャーでは、訪問先の規制を確認し、必要に応じて酸化亜鉛などの無機系の製品を選ぶという選択肢がある。
4. 相性の良い・悪い成分
4.1 併用される成分
エチルヘキシルトリアゾンは油溶性のUVB吸収剤で、担当の違う吸収剤や、溶かし込む油剤と組み合わせて配合される。
他の紫外線吸収剤: 配合例の2本では、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(UVB)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(UVA)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(UVA・UVB)と一緒に入り、ニベアメンにはポリシリコーン-15(UVB)も加わる。担当波長を分け合う組み合わせである(§3.3)。
油剤: 本成分は油相に溶かして使う。ニベアメンにはパルミチン酸イソプロピルが入り、原料メーカーの資料では本成分の溶解度が25℃で3.4%とされる(出典: BASF Technical Information)。オルビスにはコハク酸ジエチルヘキシルなどのエステル油が入る。
シリコーン: オルビスにはジメチコンとシクロペンタシロキサンが入り、塗り広げやすさや仕上がりの感触づくりに関わる。
エタノール・酸化防止剤: 2本ともエタノールを含み、オルビスにはトコフェロールも入る。原料メーカーの資料では、エタノールへの本成分の溶解度は1.3%(21℃)と低めである(出典: BASF Technical Information)。エタノールは本成分を溶かす主な溶媒というより、使用感などの別の役割で入っていると読むのが自然である。
4.2 注意したい組合せ
本稿で確認した一次資料では、本成分について化粧品処方で特に避けるべき組み合わせは報告されていない。
実用上の注意は、成分どうしの相性よりも使い方の側にある。
- 唇まわりには使わない: 本成分は粘膜に使用されることがある化粧品には配合できない区分である(§3.2)。顔用の日焼け止めを唇に塗り広げる使い方は避け、唇には唇用の製品を使う
- 有機系の吸収剤が多い処方と敏感肌: 配合例の2本は吸収剤4〜5種をエタノールと一緒に配合している。本成分そのものの刺激性は低いとされるが、有機系の吸収剤で合わなかった経験がある人は、試してから使うか、無機系の酸化亜鉛などを使った製品を選ぶ
- 重ね塗りの相性: 日焼け止めの上から化粧下地などを重ねると、こすれで膜にむらが出ることがある。これは成分の相性ではなく、塗り方の問題である
5. 使い方
5.1 推奨される使用シーン
本成分配合の日焼け止めは、成分単位ではなく製品単位で選ぶ。見るべきなのは、表示されたSPF・PAが使う場面に合っているか、使用感が毎日続けられるものか、の2点である。
日常(通勤・外回り): 顔・首・耳など露出する部分に、朝の身支度でむらなく塗る。ジェルタイプは伸びが軽く、髭剃り後の肌にも塗り広げやすい剤形の1つである。
屋外で長く過ごす日(スポーツ・レジャー): 汗や摩擦、タオルで拭くことで塗った膜は落ちる。製品の表示に従って、こまめに塗り直す。
成分表を読むとき: 本成分があれば「UVBを受け持つ吸収剤が重ねてある」、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルやビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンがあれば「UVA側の担当もいる」と読むと、処方の組み立てがつかみやすい。
5.2 期待できないこと・避けるべき使い方
本成分に期待できないことは、次のとおりである。
- UVAの防御を本成分だけで担うこと: 担当はUVBである。UVA側は同じ処方の別の成分が受け持つ
- 成分名から製品の防御力を判断すること: 防御力は製品全体で測られたSPF・PAで見る。本成分の有無や順位からは読めない
- 日焼けした後の肌を整えること: 本成分は紫外線を吸収する配合成分で、日焼け後の赤みやほてりへの働きを持つものではない
- 分子が大きいから肌に何も入らないと考えること: 表皮を透過しにくいとするデータはあるが、角層には入るという報告もある(§3.6)
避けたいのは、少ない量を薄く塗ることと、朝1回塗ったきりで1日を過ごすことである。どれほど吸収剤の組み合わせを工夫した処方でも、塗る量と塗り直しで実際の防御は変わる。
6. メンズ実用視点まとめ
メンズの日焼け止めの成分表でエチルヘキシルトリアゾンを見かけたら、次の3点で読むと整理しやすい。
- UVBを受け持つ吸収剤: トリアジン環をもつ油溶性の紫外線吸収剤で、吸収極大は314nm付近。UVAは担当外で、UVA側は同じ処方の別の成分が受け持つ
- 骨組みの上に重ねるUVB担当: 配合例では、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル・ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの3種の骨組みに、UVB担当として加わる。並べる理由は非公開だが、成分ごとの上限・吸収極大のずれ・溶かす油の相性という観点で読める
- 名前は「トリアゾン」、中心はトリアジン環: 兄弟成分のビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンと同じ環を持つ。名前の語尾だけで構造を推測しない
日焼け止めは、成分を1つずつ評価して選ぶより、表示されたSPF・PAと使用感で選び、十分な量を塗って塗り直すほうが、実際の紫外線対策への影響は大きい。成分表の読み方は、選んだ製品が「どの波長を誰に任せているか」を理解するための道具として使うとよい。スキンケア全体の順番はメンズスキンケア入門も参考になる。
7. よくある質問(FAQ)
Q1. エチルヘキシルトリアゾンはどんな働きをする成分ですか?
紫外線のうちUVBを吸収する、有機系の紫外線吸収剤です(出典: BASF Technical Information / 化粧品成分オンライン)。吸収極大は314nm付近で、分子が紫外線を吸収してエネルギーを主に熱として放出します。原料は粉末で、日焼け止めでは油相に溶かして配合されます。UVAを受け持つ成分ではありません。
Q2. メトキシケイヒ酸エチルヘキシルと同じUVB担当なのに、なぜ両方入っているのですか?
各社の処方意図と配合%は公開されていないため、断定はできません。一次資料から考えられる読み方としては、成分ごとに化粧品基準の上限があり複数で組み立てる設計と整合すること、吸収極大が314nm付近と310nm付近で少しずれること、原料メーカーの資料で本成分がメトキシケイヒ酸エチルヘキシルに25℃で14.0%溶けること、の3点があります(§3.4)。どちらの製品が防御力で上かは、成分の並びからは判断できません。
Q3. 「トリアゾン」と「トリアジン」は違うものですか?
本成分の中心の環は「1,3,5-トリアジン」です。化粧品基準の収載名やPubChemのIUPAC名も、環をトリアジンと書いています(出典: 厚生労働省『化粧品基準』 / PubChem)。「トリアゾン」はINCI名Ethylhexyl Triazoneに由来する表示名で、環の形を正確に表した語尾ではありません。肥料分野で「triazone」と呼ばれる小さな環状化合物とも別物です。兄弟成分のビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンと同じ環を持ちます。
Q4. 分子が大きいので、肌には浸透しないのですか?
表皮を透過しにくいとするデータはそろっていますが、角層に入らないとまでは言えません。分子量は823.07で、皮膚吸収には500ダルトン未満が必要とする提唱に照らすと通りにくい側です(出典: Bos & Meinardi 2000)。in vitro試験では透過しなかった、または吸収率は低いとされています(出典: Monti et al. 2008 / EU SCC 1997年見解)。一方、ヒトの試験では塗った量の21.9%が角層に入り、分子量約290のメトキシケイヒ酸エチルヘキシルと差がなかったと報告されています(出典: Scalia et al. 2019)。
Q5. エチルヘキシルトリアゾンは肌に安全ですか?
刺激性・感作性は低いとする評価が中心です。EUの科学委員会SCCは1997年に、刺激性・感作性・遺伝毒性などの試験結果をふまえ、最大5%で安全と結論しています(出典: EU SCC 1997年見解)。ただし公開データの多くは動物試験で、内分泌への作用は「結論するにはデータ不足」とする評価もあります(出典: デンマーク環境保護庁 2015)。製品には他の吸収剤やエタノールなども入るため、合わないと感じたら使用を中止してください。
Q6. 医薬部外品ではどう表示されますか?
日本化粧品工業連合会の『医薬部外品の成分表示名称リスト』平成20年版には、成分名「2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン」と、簡略名「トリスエチルヘキシルオキシカルボニルアニリノトリアジン」が載っています(出典: 医薬部外品の成分表示名称リスト 平成20年版)。化粧品の表示名称「エチルヘキシルトリアゾン」とは書き方が大きく違うため、薬用の日焼け止めでは化学名で並んでいても同じ成分だと読み替えてください。手元のリストは2008年版のため、現行版での収載状況は別に確認が必要です。
Q7. 海外の日焼け止めにも使われていますか?
EUでは科学委員会SCCが最大5%で安全と結論しており、原料メーカーの承認状況表でもEU・日本・中国・韓国・オーストラリアなどで5%とされています(出典: EU SCC 1997年見解 / BASF Technical Information)。米国では、2002年に申請され、FDAは2014年に初回の判定を出しましたが、GAOの2017年報告の時点では追加データが必要とされる段階でした(出典: GAO-18-61)。2026年6月にFDAがOTC日焼け止めへの追加を発表したのはビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンで、本成分への言及はありません(出典: FDA プレスリリース 2026年6月9日)。
8. まとめ
エチルヘキシルトリアゾンは、1,3,5-トリアジン環を中心に同じ腕を3本もつ、分子量823.07の油溶性の紫外線吸収剤で、UVB領域の314nm付近に吸収極大を持つ(出典: BASF Technical Information / 医薬部外品の成分表示名称リスト 平成20年版)。化粧品基準の別表第4で、粘膜に使用されることがない化粧品は100g中5.0gまで、粘膜に使用されることがある化粧品は配合不可と定められている(出典: 厚生労働省『化粧品基準』)。
日焼け止めの有機系フィルターを担当波長の分業で読むと、本成分は「トリアジン系のUVB担当」である。配合例の日焼け止めでは、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル・ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの共通の骨組みに、UVB側を重ねる成分として加わる。同じUVB担当と並ぶ理由は非公開だが、上限・吸収極大・溶解性の一次データと整合する読み方ができる。
名前の「トリアゾン」は構造の中心を表しておらず、環は兄弟成分と同じトリアジンである。分子は大きく表皮を透過しにくいとするデータがある一方、角層には入るとする報告もある。刺激性は低いとする評価が中心だが、データの多くは動物試験である。成分の強弱で製品を選ぶのではなく、SPF・PAと使用感で選び、塗る量と塗り直しで実際の防御を支える、という読み方が実用的である。