ZIGEN株式会社(福岡市中央区)が展開する「ZIGEN オールインワンフェイスジェル」は、化粧水・乳液・美容液・クリームの工程を1本にまとめることを想定した化粧品区分のオールインワンジェルです。本記事では公式ショップの商品ページに掲載された全成分表示をもとに、ヒト型セラミド5種の並べ方、十数種にわたるアミノ酸群の位置づけ、整肌成分の重ね方を表示順に沿って整理します。効能・効果を保証するものではなく、配合成分とその役割の解説を目的としています。
ZIGEN オールインワンフェイスジェルの概要
本製品は、D2C発のメンズブランドが主力SKUとして展開しているオールインワンジェルで、区分は医薬部外品ではなく化粧品です。この区分の違いは記事の読み方に直結します。化粧品には承認された有効成分という枠組みがないため、成分表の先頭に有効成分が別立てで置かれることはなく、配合量の多い順に並んだ1本の表示がそのまま製品の設計図になります。裏を返せば、この製品が何で差をつけようとしているかは、成分表の構成そのものを読むしかありません。
その観点で見たとき、本製品の性格は明快です。全成分は60を超える点数で、そのうち十数種がアミノ酸、5種がヒト型セラミドで占められています。加えてヒアルロン酸Na、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、プラセンタエキスといった定番の保湿素材が後半に並びます。効能を名乗って訴求する代わりに、保湿の骨格をどれだけ厚く積んだかで立たせる設計といえます。ベースは水・グリセリン・プロパンジオールという水性の保湿剤から始まり、油剤らしい油剤はダイズステロール程度にとどまるため、名称のとおり油分に頼らない水性ジェル型の処方です。
防腐設計にも特徴があります。パラベン類やフェノキシエタノールが全成分に見当たらず、カプリルヒドロキサム酸、カプリリルグリコール、エチルヘキシルグリセリン、o-シメン-5-オールといった多価アルコール系・抗菌系の成分がその役割を分担していると読める構成です。ただしメーカーが処方意図を明示しているわけではないため、表示からの推測にとどまります。また、メントールが末尾側に配合されており、使用時に清涼感を伴う設計である点は好みが分かれるところです。
弱みは価格面に集約されます。まず、公式ショップの価格は100gで4,400円(税込)ですが、当サイトが参照している流通価格の中央値は4,680円で、購入先によって数百円の開きが出ます。オールインワンは継続使用が前提の消耗品なので、この差は年単位では無視できません。購入前に公式と各モールの価格を見比べる手間が要る製品、という理解が実務的です。次に、100gという容量に対する価格水準は、メンズ向けオールインワンのなかでは高価格側に位置します。工程を束ねる商品である以上、化粧水・乳液を個別に買う場合の合計と比べる視点は要りますが、単価だけを見て気軽に試せる価格帯ではありません。加えて、化粧品区分であるため配合量は一切公表されておらず、セラミドやアミノ酸が実際にどの程度入っているかは表示順から相対的に推し量るしかない点も、あらかじめ踏まえておく必要があります。
注目成分の解析
ヒト型セラミド5種(セラミドNP・NG・AP・AG・EOP)
本製品でもっとも目を引くのが、ヒト型セラミドを5種類そろえている点です。表示上はセラミドNP、セラミドNG、セラミドAP、セラミドAG、セラミドEOPが連続して並びます。ヒト型セラミドはもともと角層の細胞間脂質を構成する成分と同じ骨格を持つものとして知られ、化粧品では水分保持を助ける保湿成分として配合されます。末尾のアルファベットは分子構造の違いを表す記号で、NPやNGのように広く使われるものから、EOPのように構造が大きく製造コストも高いとされるものまで性格が異なります。
枚数をそろえる設計には二つの意味があります。ひとつは、角層に本来存在するセラミドが単一種ではなく複数種の混合であることに合わせ、種類の幅を持たせる考え方です。もうひとつは、単純に成分表の見え方として保湿骨格の厚みを示す指標になるという点です。ただし注意も必要で、5種はいずれも全成分の表示順では後半、水添レシチンや加水分解コラーゲンに続く位置にあります。表示順は配合量の多い順が原則ですから、量として主役級に入っているとは読めません。セラミド類は微量でも設計上の意味を持つ成分ではあるものの、種類数の多さをそのまま効果の大きさに読み替えるのは適切ではなく、あくまで処方の方向性を示すものとして捉えるのが妥当です。
遊離アミノ酸群(アルギニン・タウリン・ロイシン・リシンHCl・プロリンほか)
セラミドと並ぶもう一つの柱が、単体のアミノ酸を十数種にわたって並べた構成です。表示順の4番目にアルギニンが来て、以降タウリン、ロイシン、リシンHCl、プロリン、フェニルアラニン、ヒスチジンHCl、バリン、トレオニン、チロシン、セリン、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、アラニン、アスパラギン酸Naと続きます。セラミド類が表示順の後半に集まっているのに対し、アミノ酸群は前半から中盤に散らばっており、量としてはこちらの方が骨格に近いと読み取れます。
アミノ酸は角層の天然保湿因子(NMF)を構成する成分群として知られており、化粧品では水分を抱える保湿成分として配合されます。個別に見ればアルギニンは塩基性でpHの調整にも関わり、グルタミン酸やアスパラギン酸Naは酸性側と、性格の異なるものが混在しています。特定の1種を主役に立てるのではなく、NMFの構成を意識して種類をそろえる方向に振った設計といえるでしょう。あわせてグアニル酸2Na、イノシン酸2Naという核酸系の成分も保湿目的で配合されており、水性の保湿層をアミノ酸と核酸で厚くする構成が見て取れます。
整肌を担う上乗せ層(パルミチン酸レチノール・コロイド性白金・発酵物)
保湿骨格の上に、整肌を狙った成分が薄く広く重ねられています。パルミチン酸レチノールはレチノール(ビタミンA)に脂肪酸を結合させた誘導体で、化粧品では肌を整える目的で配合される成分です。本製品は化粧品区分であり、この成分は有効成分ではなく一般の配合成分として入っている点に注意が必要です。同様に、表示順6番目のグリチルリチン酸2Kも甘草由来の整肌成分としての配合であり、医薬部外品の有効成分として承認を受けた場合の位置づけとは異なります。区分が違えば同じ成分名でも名乗れる範囲が変わる、という点は本製品を読むうえでの前提になります。
金属コロイド系では、コロイド性白金に加えて、末尾側に白金・金・銀が個別に並びます。銀は抗菌の文脈で使われる成分です。発酵素材としては「クロレラ/シロバナルーピンタンパク発酵物」があり、スラッシュを含む長い表記ですがINCI上はこれで1成分です。ほかにハマメリス水、エゾウコギ根エキス、セージ葉エキス、ゴボウ根エキス、トウキンセンカ花エキスなどの植物由来成分、アラントイン、アミノカプロン酸、ピリドキシンHCl、そしてペプチド系のアセチルテトラペプチド-17が続きます。いずれも表示順は中盤から末尾側で、製品の骨格はあくまでアミノ酸とセラミドによる保湿層にあり、この層は訴求と使用感を補う位置づけと読むのが自然です。
こんな人におすすめ / 向かない人
おすすめな人
- スキンケアの工程を1本にまとめつつ、保湿成分の中身にはこだわりたい人
- ヒト型セラミドの種類数やアミノ酸の構成など、成分表を自分で読んで選びたい人
- 油分の多いクリームが苦手で、水性ジェル型の軽い使用感を好む人
- パラベン類やフェノキシエタノールを含まない処方を優先したい人
向かない人
- オールインワンに1本3,000円未満といった価格の上限を設けている人
- メントールの清涼感が苦手な人、刺激に敏感で肌質を選ぶ人
- 承認された有効成分を持つ医薬部外品を選びたい人
- 購入前に価格を比較する手間をかけたくない人
本製品は、効能を名乗る方向ではなく成分表の厚みで立たせる設計です。そのため、成分名をひとつずつ読んで納得したい人には情報量が多く、逆に「何に効くと書いてあるか」で選びたい人には判断材料が少なく感じられます。100gで4,000円台という価格も含め、成分構成に価値を見出せるかどうかが分かれ目になる製品といえます。なお成分の合う合わないには個人差があるため、敏感肌の人は目立たない部分で試してから使うことをおすすめします。
よくある質問
Q. セラミドが5種類入っていれば保湿力も高いのですか
種類数と保湿の程度は比例しません。本製品のセラミド5種は全成分の表示順では後半に位置しており、表示順が配合量の多い順である原則からすると、量として主役級に入っているとは読めません。化粧品では配合量が公表されないため、実際の量は表示順から相対的に推し量るしかないのが実情です。種類をそろえた構成は処方の方向性を示すものとして読み、使用感は実際に試して判断するのが現実的です。
Q. 公式サイトと通販サイトで価格が違うのはなぜですか
本製品は公式ショップでの価格が100gで4,400円(税込)である一方、モール等での流通価格は4,680円前後で推移しており、購入先によって差が出ます。オールインワンは継続して使う消耗品なので、購入前に公式と各モールの価格を見比べるのが無難です。ポイント還元や定期購入の条件まで含めると実質の負担額は変わるため、単純な表示価格だけでの比較には注意してください。
Q. この1本でスキンケアは完結しますか
オールインワンは複数の工程を1本にまとめることを想定した製品形態であり、本製品もその位置づけです。ただし乾燥の程度や季節によっては、化粧水を先に重ねるなどの調整が要る場合があります。またUV防御の機能はないため、日焼け止めは別途必要です。肌に異常を感じた場合は使用を中止し、必要に応じて専門家に相談してください。