EMS美顔器を顔に当てたら、ピリピリ、チクチクと痛い。故障なのか、自分の肌に合わないのか、それとも「効いている」証拠なのか。最初の数回で迷う人は少なくありません。
この症状は、メーカーがすでに想定しています。取扱説明書の「故障かな?と思ったら」の表には、「EMSが強い(ピリピリする・痛い)」という項目がそのまま載っていて、原因と対処が書かれています。つまり多くの場合は、使い方の調整で解消できる症状として扱われています。
そこで、EMSを搭載した5機種の取扱説明書を読み、痛みについての記載を横に並べました。
- ヤーマン WAVY mini EP-16(ローラー型)
- ヤーマン メディリフト アクア EP-17(シリコーンマスク型)
- ヤーマン フォトプラス プレステージ SP M22(ヘッド型・複合機)
- パナソニック バイタリフト かっさ EH-SP86(かっさ型)
- パナソニック バイタリフト RF EH-SR86(RF×EMS)
結果を先に書きます。5機種の記載から見える痛みの原因は、「レベル」「乾き」「当て方」「場所」の4つに整理できます。どれも使う人の側で調整できるものです。
特定の商品をすすめる記事ではありません。引用はすべて取扱説明書やメーカー公式ページの記載そのままで、末尾に参照した一次情報をまとめています。
1. 結論:痛みの原因は4つに整理できる
5機種の取扱説明書で、痛み・ピリピリの原因や対処として挙がっている項目を1枚の表にまとめます。
| 原因と対処 | EP-16 | EP-17 | M22 | EH-SP86 | EH-SR86 |
|---|---|---|---|---|---|
| レベル:高い → 下げる | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 乾き:水分が足りない → 湿らせる | ○ | ○ | ○ | △ | △ |
| 当て方:電極が片当て・押しつけすぎ → 全体を軽く当てる | △ | △ | ○ | △ | △ |
| 場所:歯・首すじ・骨の上 → 位置をずらす | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
○=痛み・ピリピリへの対処として記載あり。△=「刺激が弱い」側の対処や一般的な注意として記載あり(痛みとの関係は明記なし)。
ここから読み取れることは3つです。
- 5機種すべてが挙げているのは「レベルを下げる」と「場所をずらす」。痛みへの最初の対処は、この2つです
- 「乾き」と「当て方」は、痛いときと弱いときの両方に顔を出す。水分と電極の密着は、強すぎても弱すぎても最初に見直す項目です(§4・§5)
- 故障を疑うのは最後。5機種とも、痛いときの対処に「修理」は出てきません。まず上の4つを順に試す、という書き方です
2. 「ピクピク」と「ピリピリ」は別のもの
原因に入る前に、ひとつ整理しておきたいことがあります。痛いほど効いている、というわけではないという点です。
EMSは電気で筋肉を動かす仕組みなので、「刺激が強いほど効いていそう」と感じやすい方式です。しかしパナソニックは、技術開発担当者へのインタビューでこう説明しています。
EMSの電気によってしっかり筋肉を動かすことによる、深い部分がピクピクするような感覚は効果につながります。ですが、表面のチクチク、ピリピリする刺激は効果につながるものではないので、できるだけ抑えたいところです。 (パナソニック「痛くない、でも効果を実感できるEMSの実現。」)
同社の解説ページでも、「EMSはピリピリと刺激が強い方が効果的?」という問いに「そうとも限りません」と答え、「ただ出力を上げるだけだとピリピリ、チクチクとした刺激が出てしまい、心地よく使い続けることが難しくなります」としています。
つまりメーカー自身が、肌表面のピリピリは目指すものではなく、抑えたいものと位置づけています。痛みを我慢して使い続ける理由はありません。
ヤーマンの取扱説明書も同じ方向で、EP-17 は「ピリピリとした痛みを感じるほど、EMSレベル(強さ)を上げないでください」、パナソニックの EH-SP86 も「痛みを感じるほどレベルを上げないでください」と書いています。
3. 原因①レベル:まず1段下げる
3.1 5機種すべてが最初に挙げる対処
痛みへの対処として、5機種の取扱説明書が共通して挙げているのがレベルを下げることです。
こんな症状:EMSが強い(ピリピリする・痛い) 考えられる原因と処置方法:設定レベルが高いので、レベルを下げてください。 (ヤーマン WAVY mini EP-16 取扱説明書「故障かな?と思ったら」)
パナソニックの2機種も、よくある質問で「刺激が強く感じるのですが」「強く感じるのですが」に対し、最初に「レベルを下げてください」と答えています。
3.2 はじめはレベル1から、が前提になっている
5機種とも、初めて使うときや慣れるまではレベル1から始めるよう書いています。さらに、うっかり強いレベルで始めてしまわない仕組みを持つ機種もあります。
- EP-16:「電源オン時は安全のためレベル1に設定されています」
- EP-17:電源オン時は「レベル1(最小)」に設定される
- EH-SP86:「毎回レベル『1』から始まります」(前回のレベルは記憶されない)
ヤーマンの EP-16 と M22 は、「刺激を感じない場合でも、無理にレベルを上げない。自身にあったレベルで使用する。レベルは少しずつ調節してください」と、上げ方まで指定しています。EH-SP86 も「レベルを上げるときは1レベルずつ刺激を確認しながらお使いください」です。
3.3 部位ごとにレベルを変えてよい
見落とされやすいのが、同じ顔の中でも、場所によって感じ方が違うという点です。EH-SP86 は「EMSの刺激の感じやすさは、部位、化粧品の種類や塗布量によって違います」とし、「部位や感じやすさに合わせてレベルを切り替えてください」と書いています。
頬でちょうどよいレベルが、あごや首すじでは強すぎることがあります。場所を移ったら1段下げてから当てる、という使い方で十分です。左右でも感じ方が違うことがあり、EP-17 のよくある質問は「顔は左右非対称のため、顔の左右で刺激が異なる場合があります。左右のEMSレベルを調整してください」と答えています。
「感じないからレベルを上げる」判断の考え方は、美顔器は毎日使っていいのかの§4でも整理しています。
4. 原因②乾き:水分が足りないとピリピリする
4.1 取扱説明書は「湿らせる」を対処に挙げている
レベルの次に多いのが、肌と電極のあいだの水分です。
肌表面にピリピリとした痛みを感じた場合は、レベルを下げたり、部位をずらして使用する。または水・ローション・ジェルなどでお肌を湿らせてから使用する。 (ヤーマン WAVY mini EP-16 取扱説明書・注意)
M22 もほぼ同じ文言です。EP-17 はさらに踏み込んで、よくある質問でこう答えています。
本製品の特長として、水やローション、美容液を多く使用したほうがよりEMSの体感を得ることができます。少ないとピリピリと感じることがあります。 (ヤーマン メディリフト アクア EP-17 取扱説明書「よくあるご質問」)
「故障かな?と思ったら」の表でも、「EMSが強い(ピリピリする・痛い)」の原因として「お肌が乾燥しています。ローションや美容液、ゲルなどを塗って、お肌を湿らせてください」が並んでいます。
4.2 乾きは「弱い」ときの原因にも挙がる
興味深いのは、同じ乾きが逆の症状の原因にも挙がっていることです。
- EP-16:「お肌が乾いた状態ではEMSを感じにくくなります」
- EP-17:「EMSが弱い(感じない)」の原因に「お肌が乾燥しています」
- EH-SP86:「化粧品が乾くとEMSの刺激を感じにくくなります」
乾いていると痛い、乾いていると感じない。矛盾しているように見えますが、電気刺激の研究から次のように考えることができます(取扱説明書自体は、この仕組みまでは書いていません)。
- 皮膚のいちばん外側の角層は、電気を通しにくい層です。経皮電気刺激の研究では、角層が皮膚と電極のあいだの電気抵抗の大部分を占め、濡れたり汗をかいたりすると通りやすさが大きく上がることが示されています(Vargas Luna ほか 2015)
- 肌全体が乾いていれば電気が通りにくく、弱く感じる方向に働くと考えられます
- 一方、水分が途中で切れてまだらになると、電気は通りやすく残った狭い部分に集まると考えられます。電気刺激の研究では、電極の接する面積が小さいほど電流が狭い範囲に集中し(電流密度が上がり)、不快感や痛みが出やすくなるとされています(Doucet ほか 2012)
どちらに転ぶにしても、対処は同じです。水分を途切れさせないこと。取扱説明書が「湿らせる」を痛いときにも弱いときにも挙げているのは、この点で一貫しています。
4.3 足すときは電源を切ってから
途中で水分を足す場面について、EP-17 は手順まで指定しています。
お肌と電極の間に、常にローションや美容液、ジェルなどの水分があるようにする。お肌が乾いたら電源がオフの状態で、シリコーンマスクをはずしてからつけ足す。 (ヤーマン メディリフト アクア EP-17 取扱説明書・注意)
手持ちタイプでも、使用中にすべりが悪くなったら足すのは想定内の使い方です。EH-SP86 は「使用中、すべりが悪い場合やEMSの刺激を感じにくい場合は、専用ジェルや化粧品をつけ足してください」としています。
なお EH-SP86 は、刺激が強いときの答えに「化粧品の種類・専用ジェル・水(スチーマー・お風呂での使用時)によってEMSの刺激の感じやすさが違います」と書いています。塗るものを替えたら、レベルもいったん1に戻して確かめ直すのが安全です。
何を塗ればよいかは、化粧水で代用する場合を化粧水だけで美顔器を使ってもいいのか、成分の側から見た電気の通りやすさを美顔器ジェルの「導電性」はどの成分が担っているかで扱っています。
5. 原因③当て方:電極の一部だけが触れていないか
5.1 「電極ヘッド全体がお肌にあたっていません」
ヤーマンの M22 は、「ピリピリする・痛い」の原因として、レベルと並べて当て方を挙げています。
ピリピリする・痛い LEVELボタンでレベルを下げてください。 電極ヘッド全体がお肌にあたっていません。鏡で確認しながら、電極ヘッド全体をお肌にあててください。 (ヤーマン フォトプラス プレステージ SP M22 取扱説明書「困ったときは」)
ほかの4機種は、電極の密着を「刺激が弱い」側の対処として書いています(EH-SP86「電極が肌に密着していないとEMSを感じられません」など)。ここでも §4 と同じく、密着は強すぎ・弱すぎの両方に効く項目です。
5.2 なぜ片当てで痛くなるのか
電極の一部だけが肌に触れている状態は、§4.2 で見た「接する面積が小さい」状態そのものです。
医療用の電気刺激装置では、この点が安全上の論点として扱われています。米国 FDA の筋刺激装置向けガイダンス(1999年)は、電流密度と電力密度を「付属・推奨される最も小さい電極」の面積で計算するよう求めています。経皮電気刺激(TENS)の研究には、電極が気づかないうちにはがれて接触面積が小さくなると、電流密度が高くなり不快感につながる、という指摘もあります(Gozani 2016)。
家庭用の美顔器でも、国民生活センターが腹部用のEMS機器(美顔器ではありません)を調べた商品テストで、コーティングの傷から導電体が露出していた箇所について「局所的に電流が集中して流れ、通常よりも強い電気刺激が加わり、痛みや傷の原因になる可能性が考えられました」と報告しています。電気が狭い範囲に集まると痛みにつながるという理屈は、機器の種類をまたいで共通しています。
5.3 押しつけすぎない
「しっかり当てる」は「強く押す」ではありません。EP-16(「お肌に強く押しあて過ぎないでください」)、M22、EH-SP86、EH-SR86 の4機種が、強く押しあてないよう書いています。M22 はその理由を「必要以上に強く押し付けたり一ヶ所に集中して使用するとお肌を傷める原因となります」としています。
実際の当て方は、次の3点で足ります。
- 電極面を肌に平らに置く。鏡を見て、端が浮いていないか確かめる
- 軽く当てて、すべらせる。押しつけて止めない
- 電極が複数ある機種は、同時に触れているか確かめる。EP-16 は「2つのローラーを同時にお肌にあてることで、EMSの刺激を感じることができます」、EH-SP86 は4つの電極のうち「少なくとも a または b どちらか2つの電極が肌に触れていること」を確認するよう書いています
6. 原因④場所:歯・首すじ・骨の上は感じ方が違う
6.1 歯に響くのは5機種すべてが書いている
頬やあごに当てたとき、歯がジーンと痛むことがあります。これは5機種すべての取扱説明書に書かれている、想定内の症状です。
EMSが歯の神経に刺激を与える場合があります。ローラーを強くあて過ぎず、レベルを下げるか、部位をずらしてご使用ください。特に歯の治療中の方、歯に詰め物がある方はご注意ください。 (ヤーマン WAVY mini EP-16 取扱説明書)
EP-17 は「歯の治療中の人(インプラント・矯正・銀歯等)、歯に詰め物がある人は、レベルを調節して使用する」とし、よくある質問では「違和感がある場合は、医師にご相談ください」と答えています。パナソニックの2機種は、使用中に歯に違和感が出たら「レベルを下げる、または部位をずらして使用する(一時的な歯の痛みの原因)」としています。
対処は、レベルを下げる・位置をずらす・強く当てないの3つです。詰め物や治療中の歯がある人は、その歯の近くでは最初から低めのレベルで使うと安心です。
6.2 首すじは強く感じやすい
EP-16 と EH-SP86 は、首すじについて「EMSの刺激が強く感じられる場合がありますので、ご注意ください」と書いています。顔から首に移るときは、レベルを下げてから当ててください。
首についてはもうひとつ、消費者安全調査委員会が、家庭用EMS美顔器を「首(頸部)付近に当てた場合、失神に至り、転倒して頭部などを負傷することがあります」と注意を出しています。前兆と避け方はすでに公表されているので、詳しくは美顔器を使えない人と使ってはいけない場面にまとめています。取扱説明書で首への使用が認められている機種でも、のどや、首の前側には当てないのが共通の線です。
6.3 骨の上と、皮膚が薄いところ
EP-16 と M22 は「皮膚が薄い部位、骨のすぐ上には長時間使用しない」、EH-SP86 は「骨ばった部位」を使用しない部位に挙げています。頬骨やあごの骨の真上で強く感じたら、骨を外して筋肉のある側へ少しずらすのが取扱説明書に沿った対処です。M22 は「EMSが弱い・感じない」の対処としても「電極ヘッドを筋肉に沿ってあててください」と書いています。
目のまわりも同じく皮膚が薄い場所です。EP-16・M22・パナソニックの2機種は、まぶたを使用しない部位に入れています。EP-16 は目の下に当てるときは、取扱説明書で「体感はほぼありません」と説明しているマイクロカレントモードを使うよう指定しています。
7. 痛いときの対処は、この順番で
ここまでの内容を、痛みを感じたときに試す順番にまとめます。5機種の取扱説明書の記載を、手を動かす順に並べ直したものです。
- レベルを1段下げる(5機種共通)。場所を移ったときも1段下げてから
- 水分を足す。乾きかけていたら、電源を切ってから化粧水やジェルをつけ足す(EP-17 の手順)
- 電極全体を、軽く当てる。鏡で端が浮いていないか確認し、押しつけない
- 位置をずらす。歯に響く・骨の上・首すじ、の心当たりがあれば外す
- それでも痛い、または肌に異常が出たら中止する。EP-16・M22・パナソニックの2機種は、痛みや異常を感じたら使用を中止するよう注意書きに入れています(EP-17 もよくある質問で「お肌にトラブルが起こった場合は、直ちに使用を中止し、医師にご相談ください」と答えています)
1〜4は、どれも数秒でできる調整です。多くの場合はこの範囲で、ピリピリしない使い方に落ち着きます。
8. 痛みのあとに残ったら
8.1 赤み・違和感は「今日は休む」
使ったあとに違和感や肌の変化が残ったときについて、EP-17 のよくある質問は次のように答えています。
- 「違和感や疲労感があるのですが」→「EMSの刺激によるものです。顔に違和感が無くなるまでしばらく使用を控えてください」
- 「肌に発疹、炎症、かゆみが出たのですが」→「EMSの刺激によるものです。翌日以降も異常が続く場合は、医師にご相談ください」
どちらも、落ち着くまで休むが答えで、「二度と使えない」という書き方ではありません。翌日以降も続くかどうかが、医師に相談する目安です。
8.2 顔用のEMSには業界の自主基準がない
東京都消費生活総合センターは2025年4月、「家庭用EMS美顔器の使用には注意が必要です」という注意情報を出しています。そこでは「使用した部分に痛みが出てあざが出来た」という相談事例が紹介され、次の点が指摘されています。
一般社団法人日本ホームヘルス機器協会ではJIS規格を基に「家庭用EMS機器の安全性に関する自主基準」を制定していますが、「顔、首、頭部に意図して使用する機器」は適用外のため、家庭用EMS美顔器の品質については、基準がない状態です。 (東京都消費生活総合センター「家庭用EMS美顔器の使用には注意が必要です」2025年4月23日)
業界共通の基準がないということは、安全な使い方の基準は、機種ごとの取扱説明書が担っているということです。同センターも、使用上の注意・1回あたりの時間や回数・使用方法を「必ず守り」、少しでも異常を感じたら直ちに使用を中止して医師の診察を受けるよう呼びかけています。
言い換えれば、ピリピリという前兆はメーカーが取扱説明書で想定し、対処まで書いている範囲の出来事です。その合図が出た時点で下げる・足す・ずらす・止めるを守れば、我慢して強い刺激を当て続ける状況は避けられます。
9. 断定できないこと(この記事の限界)
5機種の取扱説明書と公的資料から分かるのは、ここまでです。次の点は一次資料から断定できません。
- §4.2・§5.2 の仕組みの説明。「乾き」「片当て」で痛くなる理由を電流密度で説明したのは、医療用の電気刺激装置を対象にした研究や規制資料からの推論です。5機種の取扱説明書は、原因を電流密度という言葉では説明していません
- ひげ・うぶ毛の影響。ひげやうぶ毛が痛みの原因になるという記載は、5機種の取扱説明書には見当たりませんでした。なお EP-17 は剃毛直後の使用について「炎症の原因になる場合があります」、パナソニックの2機種は「当日、脱毛処理をした部位」には使用しないとしています
- 確認していない機種の感じ方。EMSの波形や電圧の設計は機種ごとに違い、パナソニックも波形の工夫でチクチク感を抑えていると説明しています。同じレベル表示でも、機種が違えば感じ方は比べられません
- 痛みと効果の関係。§2 のメーカー見解は、パナソニックが自社の機器について説明したものです。痛みの強さと仕上がりの関係を一般化できる資料は確認できませんでした
自分の機種で痛みが出たときの最終的な基準は、その機種の取扱説明書の「故障かな?と思ったら」「よくあるご質問」の項目です。
10. よくある質問
Q1. EMS美顔器がピリピリ痛いのは故障ですか
確認した5機種の取扱説明書は、「EMSが強い(ピリピリする・痛い)」を「故障かな?と思ったら」やよくある質問の項目に載せ、レベルを下げる・肌を湿らせる・電極全体を当てる、といった調整を対処に挙げています。まずはこれらを試してください。調整しても変わらない場合や、電極に割れ・変形がある場合は、使用をやめてメーカーに問い合わせてください(EP-17 は「使用前に電極の割れ、変形、破損がないか確認し、破損・故障した場合は、使用しない」としています)。
Q2. 痛いほうが効いているのではないですか
パナソニックは、筋肉が動く「深い部分がピクピクするような感覚」と、「表面のチクチク、ピリピリする刺激」を分けて説明し、後者は「できるだけ抑えたい」ものとしています。ヤーマンの取扱説明書も「ピリピリとした痛みを感じるほど、EMSレベル(強さ)を上げないでください」としています。痛みを我慢して使う必要はありません。
Q3. 化粧水を多めに塗ったほうがいいのですか
EP-17 は「少ないとピリピリと感じることがあります」と答えています。量は機種ごとの案内に従い、途中で乾いてきたら電源を切ってからつけ足してください。油分の多いクリームやオイルは、パナソニックの EH-SP86 が「刺激を感じにくくなるため、使用しないでください」としています。
Q4. 頬は平気なのに、あごだけ痛いのはなぜですか
部位によって感じ方が違うことは、EH-SP86 の取扱説明書にも書かれています。あごや頬の下のほうで歯に響く場合は、5機種すべてが挙げている「歯の神経」への刺激が考えられます。レベルを下げる、位置をずらす、強く当てない、の3つを試してください。骨の真上に当たっている場合も強く感じやすいので、筋肉のある側へ少しずらします。
Q5. 使ったあとも肌がヒリヒリします
EP-17 のよくある質問は、違和感は「顔に違和感が無くなるまでしばらく使用を控えてください」、発疹・炎症・かゆみは「翌日以降も異常が続く場合は、医師にご相談ください」と答えています。落ち着くまで休み、翌日以降も続く場合は皮膚科医に相談してください。再開するときは、レベル1から始めます。
まとめ
- EMS美顔器のピリピリは、取扱説明書が想定している症状。確認した5機種とも、原因と対処を書いている
- 原因は「レベル」「乾き」「当て方」「場所」の4つ。レベルを下げる・水分を足す・電極全体を軽く当てる・位置をずらす、の順で試す
- 乾きと片当ては、痛いときにも弱いときにも見直す項目。水分を途切れさせず、電極を平らに当てるのが基本
- 痛い=効いている、ではない。メーカー自身が、表面のピリピリは抑えたいものと説明している
- 違和感が残った日は休む。翌日以降も続くときは医師に相談する
どの対処も、その場で数秒でできることです。自分の機種の取扱説明書で「故障かな?と思ったら」の表を一度見ておけば、ピリピリしたときに慌てずに済みます。
参照した一次情報
- ヤーマン「WAVY mini EP-16 取扱説明書」(PDF)
- ヤーマン「メディリフト アクア EP-17 取扱説明書」(PDF)
- ヤーマン「フォトプラス プレステージ SP M22 取扱説明書」(PDF)
- パナソニック「バイタリフト かっさ EH-SP86 取扱説明書」(PDF)
- パナソニック「バイタリフト RF EH-SR86 取扱説明書」(PDF)
- パナソニック「痛くない、でも効果を実感できるEMSの実現。」
- パナソニック「Chapter2 筋肉アプローチ編」
- 東京都消費生活総合センター「家庭用EMS美顔器の使用には注意が必要です ~ あざや体調不良になることも ~」(2025年4月23日)
- 消費者安全調査委員会「家庭用EMS美顔器をご利用時の注意点」(2024年4月11日)
- 国民生活センター「腹部に水膨れができたEMS機器(相談解決のためのテストから No.115)」(2017年9月7日)
- U.S. FDA「Guidance Document for Powered Muscle Stimulator 510(k)s」(1999年6月9日)
- Doucet BM, Lam A, Griffin L. Neuromuscular Electrical Stimulation for Skeletal Muscle Function. Yale J Biol Med. 2012;85(2):201-215.
- Vargas Luna JL, Krenn M, Cortés Ramírez JA, Mayr W. Dynamic Impedance Model of the Skin-Electrode Interface for Transcutaneous Electrical Stimulation. PLoS One. 2015;10(5):e0125609.
- Gozani SN. Fixed-site high-frequency transcutaneous electrical nerve stimulation for treatment of chronic low back and lower extremity pain. J Pain Res. 2016;9:469-479.(著者は研究資金を出した企業の社員)
取扱説明書・メーカーページはいずれも2026年9月30日時点で公開されている版を参照しました。
※ 本記事は公開されているメーカー情報・公的資料に基づく情報提供であり、個別の使用可否を判断するものではありません。肌の状態については皮膚科医に、機器の使用条件についてはメーカー窓口にご確認ください。痛みへの対処の最終的な基準はお使いの機種の取扱説明書です。使用中に痛みや異常を感じた場合は直ちに使用を中止してください。
本記事のイメージ画像にはAI生成画像を使用しています。